春に起きる災害
日本は、四季を楽しめる国ですが、それと同時に四季それぞれで災害があります。
春は新しい生活が始まる季節として知られていますが、同時に特定の自然災害が発生しやすい時期でもあります。
3月から5月にかけて、特に注意が必要な災害には、花粉症を引き起こす植物の増加、春の嵐、洪水、そして場合によっては遅い雪が含まれます。
このブログでは、春に発生し得る主な災害を解説し、それらに備えるための対策と心がけるべきことを紹介します。
春に起きる災害
春は寒い季節から温かい季節の移行時期です。季節の変化は災害へとつながっていきます。
具体的な災害についていくつかあげてみましたのでご覧ください。
融雪洪水
洪水は大雨だけではありません、北国では厳しい冬の時期に積もった雪がたくさんあります。
暖かくなると冬の雪解けとともに春雨によって、川の水位が急激に上昇することがあります。
考え方としては、山の上にたくさんの水が保存されており、その水が温かさとともに開放されます。
雪解けによる洪水(融雪洪水)は、住宅や農地を破壊し、交通機関に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
融雪洪水(ゆせつこうずい)の事例です
【雪国は4月に川の水量が多い】
融雪洪水 北陸地方整備局
「融雪洪水」とは雪解けにより川の水が増えることで、流域に積雪地域が多い信濃川では、毎年のように雪解けの頃に水量が多くなります。信濃川と利根川の月別の水量を比べると、利根川は9月に水量が多いですが、信濃川は4月や5月に水量が多いことがわかります。
雪崩
融雪洪水と原因は同じです。降雪量が多い地域では、暖かくなることで雪が溶けて、雪崩が発生する可能性があります。
ただ、雪崩の場合、ピークが1月となるため、春の災害というよりは冬の災害になります。
雪崩に気をつけましょう!国土交通省 北陸地方整備局新潟県 土木部 砂防課
春の嵐
春は気温の変化が激しく、強風や雷雨を伴う嵐が発生しやすい時期です。
「春の風」は「メイストーム(5月の嵐)」とも呼ばれ、実は台風並みの暴風や猛吹雪、海岸では高波となることもあります。
「春の嵐」発生事例(平成24年4月3日~5日)
平成24年4月2日21時に黄海にあった低気圧が急速に発達しながら日本海へ進み、4月3日21時には中心気圧が964ヘクトパスカルと台風並みに発達しました。
台風並みの暴風となる「春の嵐」「メイストーム」 気象情報や警報・注意報に注意して安全対策を | 政府広報オンライン
この低気圧により山形県酒田市飛島では39.7メートル/秒、最大瞬間風速(※)51.1メートル/秒、和歌山県友ヶ島で最大瞬間風速41.9メートル/秒を観測するなど、各地で記録的な暴風となり、転倒や屋根からの転落、倒木の直撃などにより多数の死傷者が出たほか、トラックなどの横転事故、住宅の破損や停電、そして交通機関のマヒなど様々な被害が発生しました。
黄砂
黄砂は中国大陸から飛来する砂のことで、一般的には視程が悪くなったり、呼吸器系の健康被害が発生する可能性があります。
最近では森林減少、土地の劣化、砂漠化といった人為的影響による環境問題となっておりますが、それにより人の健康も脅かされています。
具体的には黄砂は、アレルギー症状、呼吸器疾患、循環器疾患へ拡大する可能性があり、黄砂は季節的現象から、災害ではないのか? と言われ始めています。
参考:黄砂対策 | 大気環境・自動車対策 | 環境省 、黄砂とその健康影響について:環境省
花粉症
花粉症で悩まれている人にとって花粉症は、個人の症状を超えて、公害または災害と言われ始めています。
特に春。
春は植物が芽吹き、花粉が大量に飛散する季節です。
花粉症は、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどのアレルギー反応を引き起こし、多くの人々の生活の質を低下さるもので、花粉症の原因は戦後に大量植林されたスギ、このスギが伐採されずに開花適齢期を迎えるにあたって発生しています。
つまり、人為的による自然破壊が災害をもたらしたと言っても過言ではありません。
春の災害への対策
ここまで説明をしてきた春の災害、ここからは春の災害対策をそれぞれ箇条書きでお伝えします。
融雪洪水
- ハザードマップを確認: 自治体のハザードマップを確認し、自宅や職場がどのような洪水リスクに晒されているか把握しましょう。
- 避難場所の確認: 洪水発生時に避難する場所を事前に確認しておきましょう。
- 水位情報の確認: 河川の水位情報を常に確認し、警戒レベルに達したら早めの避難を心がけましょう。
- 土嚢の準備: 土嚢を用意しておき、浸水被害を防ぎましょう。
ハザードマップや避難場所などについてはハザードマップポータルサイト が便利です。
(ただしパソコンでご利用ください)
雪崩
- 雪崩注意報に注意: 気象庁から発表される雪崩注意報に注意しましょう。
なだれ注意報 – 気象警報最新マップ(リアルタイム更新)はリアルタイム更新されているので便利です。 - 雪崩危険区域への立ち入り禁止: 雪崩危険区域には立ち入らないようにしましょう。
- 雪山登山時の装備: 雪山登山をする場合は、ビーコン、プローブ、ショベルなどの雪崩対策装備を必ず携行しましょう。
春の嵐
- 最新気象情報の確認: テレビ、ラジオ、インターネットなどで最新情報を常に確認しましょう。
- 不要不急の外出は控える: 暴風警報などが発表された場合は、不要不急の外出は控えましょう。
- 飛来物対策: 家屋の周囲の物干し竿や植木鉢など、飛ばされやすいものは室内に移動させましょう。
- 停電対策: 停電に備えて、懐中電灯や電池などを準備しておきましょう。
黄砂
- 黄砂情報に注意: 気象庁から発表される黄砂情報に注意しましょう。
- 外出時のマスク着用: 黄砂飛来時は、外出時にマスクを着用して呼吸器系を守りましょう。
- 洗濯物の取り込み: 黄砂飛来時は、洗濯物を外に干さないようにしましょう。
花粉症
- 花粉情報に注意: 気象庁から発表される花粉情報に注意しましょう。
- マスクやゴーグルの着用: 外出時にマスクやゴーグルを着用して花粉を避けましょう。
- 薬の服用: 抗アレルギー薬などの花粉症対策薬を服用しましょう。
- 室内環境の整備: 空気清浄機を使用したり、掃除をこまめに行ったりして、室内環境を清潔に保ちましょう。
春の災害で心がけること
春の災害に備える際、心がけるべきは、常に情報に敏感であること、事前準備を怠らないこと、自然と調和を保つ生活を心がけること、そして心の準備を整えておくことです。
これは春に限ったことではありませんが、日本に暮らしているのならば、災害は常に起こるということを知っておくといいでしょう。
具体的には 気象情報や災害警報に注意を払い、家族や地域と情報を共有することが重要です。
非常用品の準備や避難計画の確認は、緊急時の混乱を避け、迅速に行動するために必要不可欠です。
まとめ
春は多くの自然の美しさを提供しますが、季節目の変わり目であるため自然災害のリスクも伴います。「春の災害で心がけること」にもありますが、適切な準備と知識によって、これらのリスクを最小限に抑え、安全で快適な春を過ごすことができます。
今回紹介した災害の種類と対策を参考に、皆さんも春の災害に備えてください。